alter. Talks

alter.会期中、会場では計6つのトークセッションを開催。いまプロダクトデザイナーが直面する問題から鑑賞者/ユーザーのクリエイティビティ、プロダクトデザインのフロンティアに至るまで、多彩なゲストとともに現代のプロダクトデザインを巡る問題系を浮き彫りにしていきます。

注意事項

トークは公開収録型イベントとして実施いたします。
セッションの模様は、会期後に音声配信として公開予定です。

会場内にはご着席いただける席数が限られております。
座席はごくわずかとなりますため、立ち見となる場合がございます。

事前予約は受け付けておりません。すべて当日先着順でのご案内となります。

混雑状況により、安全確保のため入場を制限させていただく場合があります。
その際は、その場でのご観覧をお断りする場合がございます。あらかじめご了承ください。

セッション中の録音・録画・撮影はご遠慮ください。
公式の記録・配信スタッフが入る場合がございます。

DAY1_ プロダクトデザインの現在地

いまプロダクトデザインはどんな環境に置かれているのか?グローバルな問題系からつくり手と受け手の応答、さらには新興市場のオルタナティブな動きをたどりながら、現代デザインのエコシステムを考える。

SESSION1-1 いま、アジアの美を考える。 2025.11.07 (Fri) 16:00-
石川俊祐 × Meng Jinhui × Danny Wicaksono × 古屋言子

「美」とは何でしょうか。それは形や装飾ではなく、生き方や世界の見方に宿るものでもあります。これまでは西洋的な価値観に照らされてきた“アジアの美”を、いま改めて自らの感性から見つめなおすために──インドネシアや中国から来日中のクリエイターを招き、KESIKI INC.の石川俊祐とD&AD リージョナルマネージャーの古屋言子とともに、文化も時代も超えた「美」の再定義を試みます。

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石川俊祐

KESIKI INC. 代表取締役/Chief Design Officer ロンドン芸術大学 Central St. Martins卒。Panasonic Design Company、PDD Innovations UKを経て、 IDEO Tokyo のデザインディレクターとして立ち上げに従事。2018年よりBCG Digital VenturesにてHead of Design/Strategic Design Directorとして活動したのち、2019年にKESIKIを設立。企業のアドバイザーから国の有識者委員まで幅広くデザインの浸透に従事。D&ADやGOOD DESIGN AWARDなど多くのアワードにおいて審査委員を歴任している。

Meng Jinhui

BIE Founder 長年中国のアンダーグラウンド・ミュージックやサブカルチャーのシーンへ関わり、クリエイティブスタジオ「Yi Shi Yi Se」やインディペンデントレーベル「bié Records」を創設。bié RecordsではYu Suを筆頭に気鋭アーティストの作品をリリースし国際的に注目されているほか、『VICE China』に所属していた経験を活かし、クロスカルチャープラットフォーム「BIE 别的」を立ち上げるなど、音楽やメディアの領域を中心に幅広い活動を展開する。

Danny Wicaksono

studiodasar Founder / jongArsitek! Co-Founder インドネシアのトリサクティ大学を卒業後、2014年に自身のスタジオstudiodasarを設立し建築家として活動。2008年には友人とともに建築メディアjongArsitek!を立ち上げ、建築展のキュレーションや国内外の出版物への寄稿なども積極的に行っている。その活動を通じて観光・創造経済省やインドネシア建築家協会、Archinesiaから表彰を受け、国際建築批評家委員会(CICA)の委員およびアガ・カーン建築賞(2016-2019年および2019-2022年)の技術審査員に選出された。

古屋言子

D&AD リージョナルマネージャー / Brody Associates アソシエイツ 神奈川県出身、イギリス育ち。慶應義塾大学環境情報学部卒業。デザインマネジメント/PR事務所(トランスフォーム株式会社)、広告代理店(パブリシスジャパン)、デザインメーカー(モリサワ株式会社)を経て、2011年よりフリーランスとしてデザインマネジメント、プロデュース、デザイン教育に携わる。D&ADリージョナルマネジャー(日本・シンガポール)、ネヴィル・ブロディ率いるデザインスタジオ Brody Associates アソシエイツ。

SESSION1-2 これからのデザインシーンはどこにあるのか 2025.11.07 (Fri) 18:00-
alter.参加クリエイター

今回のalter.には、1990年代以降に生まれた若手クリエイターも多く参加しています。狭義のプロダクトデザインに留まらず領域横断的に同世代のクリエイターとコラボレーションを重ね、商業的な実践にも取り組む彼/彼女たちは、これからのデザインシーンやデザイナーの役割をどう捉えているのでしょうか。多くのクリエイターが登壇し、ラウンドトークを繰り広げます。

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alter.参加クリエイター

デザイナー alter.に参加するクリエイターのなかでも、1990年代以降に生まれた若手クリエイターが本セッションに複数名登壇予定。独立して個人で活動する者やジャンルを超えたコラボレーションを多く展開する者、世代の近いクリエイター同士でコレクティブに活動する者など、異なる価値観のもとでさまざまな活動を広げるクリエイターたちが一堂に会する。

DAY2_ 個と向き合うためのデザイン

プロダクトデザインの営為とは、常につくり手・受け手の「個」とともにある。つくり手の強いエゴから創造性が生まれることもあれば、受け手のクリエイティビティとの相互作用が生まれることも、受け手がつくり手へと回ることもある。果たして現代のプロダクトデザインは「個」とどう向き合っていけるのか。

SESSION2-1 受け手のクリエイティビティを拡げる 2025.11.08 (Sat) 13:00-
杉野龍起 × 福井裕孝 × GAKU

デザインやクリエイティビティとは、つくり手だけのものではありません。鑑賞者やユーザーといった受け手もまた、クリエイティビティの担い手と言えます。クリエイションのプロセスに着目しさまざまな活動を展開するDODIと、モノと人の関係を問う演劇作品をつくる演出家の福井裕孝、「使い手の創造性」を問うワークショップに参加してきた10代のGAKU受講者とともに、受け手のクリエイティビティの拡げ方を考えます。

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杉野龍起

DODI 代表 1995年神奈川県生まれ、数人の協力者によって設立されたデザインスタジオDODIの代表。私たちのゴールは、クライアントやコラボレーターに、彼らが何者であるかを伝えるだけでなく、彼らが何者であるかを明らかにするプロセスに参加してもらうことです。この進め方は、ブランドと作品の進化を探求する継続的な関係につながります。

福井裕孝

演出家 1996年京都生まれ。2018年より個人名義での作品の創作と発表を始める。既存の演劇の形式や劇場の制度を援用しつつ、身近なものや空間との関係を、日常とは異なる視点やスケールから再提示する。公益財団法人クマ財団クリエイター奨学金第二期生。ロームシアター京都×京都芸術センターU35創造支援プログラム"KIPPU"選出。2022-24年度THEATRE E9 KYOTOアソシエイトアーティスト。

GAKU

10代のためのクリエイティブスクール 10代の若者たちがクリエーションの原点に出会うことができる学びの集積地として、渋谷PARCOを拠点にファッションから建築、演劇などさまざまなプログラムを展開。今回はGAKU×Rondadeによるプログラム「眺める側のコンポジション」に参加し、alter.の展示にも参加する10代の受講者がトークセッションへ登壇する。

SESSION2-2 根源的欲求から始まるプロダクトデザイン 2025.11.08 (Sat) 15:00-
松本光一 × 太田琢人

人々の生活を変えるプロダクトは、人間の根源的欲求から生まれるもの。なかでもTENGAの創業者・松本光一は、人間の「性」へ徹底的に向き合うことで社会のタブーや固定観念を突き破るプロダクトを生み出しました。同時に松本はデザインの原動力に他者の喜びを見出してもいます。デザイナーをものづくりに向かわせるものは一体なんなのか? alter.出展者でもありさまざまな試行錯誤を続けるアーティストの太田琢人とともに、ものづくりの根源へと立ち返ります。

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松本光一

株式会社TENGA 代表取締役・創業者 1967年、静岡県焼津市生まれ。幼少期から車に魅了され、自動車整備士としてフェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーやクラシックカーの整備に従事。その後、中古車販売会社のセールスマンとしてトップセールスを記録するも、「モノづくりへの情熱」を捨てきれず34歳で脱サラ。アダルトショップで感じた"違和感"をきっかけに、一般プロダクトとしてのアダルトアイテム開発を決意。3年にわたる研究開発を経て、2005年に株式会社TENGAを設立。同年に発売した「TENGA スタンダードカップシリーズ」は、発売初年度で累計100万個を突破するヒットとなった。2025年に創業20周年を迎え、現在では73の国と地域に展開している。

太田琢人

デザイナー/アーティスト 1993年フランス生まれ。2017年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。2022年東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修士課程卒業。物と人間のコミュニケーションについて興味を持ち、日常の観察の中で新たな視座の発見を作品へ変換する。特定の分野に固執せず、プロセスや考え方の流動性と多元的思考を大切にしている。主な展示に「結晶化したエアークオーツの聲」(CONTRAST、東京、2025)「Thinking Piece」(Dropcity、イタリア、2023)、「藝大アーツイン丸の内 2022」(丸ビル、東京)、「ミラノサローネ」(イタリア、2022)など。

DAY3_ フロンティアをデザインする

プロダクトデザインの領域は常に広がっている。欧米のみならず中国をはじめとするアジア圏の台頭やデジタルテクノロジーによる新たなインターフェースの登場、さらには今回のalter.出展プロジェクトから見える新たな可能性まで──プロダクトデザインのフロンティアを巡る。

SESSION3-1 修理する権利、改造する自由 2025.11.09 (Sun) 13:00-
吉田健彦 × 長澤智美

プロダクトとはデザイナーが一方的にそのあり方を規定するものではなく、しばしばユーザーとの関わりのなかでその姿を変えていきます。欧州で法制化が進む「修理する権利」に精通する研究者/エンジニアの吉田健彦と、数々のエンジニアたちが改造を通じて異形のプロダクトを生み出すテレビ番組『魔改造の夜』のプロデューサーを務める長澤智美とともに、修理や改造など、ユーザーがプロダクトへ主体的に介入する営為から生まれるクリエイティビティを考えます。

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吉田健彦

研究者/プログラマー 1973年生まれ。環境哲学・メディア論を中心としてポストヒューマン論やメディアアートに関心をもつ。主な著書・論文に『メディオーム──ポストヒューマンのメディア論』(共和国)、「宇宙の修理とメンテナンス──メタバースは私たちの生きる宇宙になり得るのか」(現代思想50(11)、青土社、2022年)などがある。

長澤智美

テレビマンユニオン エグゼクティブプロデューサー/ディレクター 1987年に制作会社テレビマンユニオン参加。ディレクターとして歴史、科学、文化、人物ドキュメントなど制作多数。主な担当番組にNHKスペシャル『知られざる大英博物館・ギリシャ』(2012年)やETV特集『鶴見俊輔~戦後日本人民の記憶』(2009年)など。2020年よりNHK『魔改造の夜』のプロデューサーを務めている。

SESSION3-2 拡張するインターフェース 2025.11.09 (Sun) 15:00-
布施琳太郎 × 小山虎

パソコンのGUIから始まりスマホ、ヘッドマウントディスプレイに至るまで、新たなインターフェースは新たな体験を生むだけでなく、常に人間が世界を認識する方法をも更新し、人とモノの関係性を変えてきました。近年インターフェースに関心を寄せるアーティストの布施琳太郎と、コンピュータ史に精通する小山虎とともに、拡張しつづけるインターフェースからどんな可能性が生まれるのか問うていきます。

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布施琳太郎

アーティスト アーティスト。スマートフォンの発売以降の都市における「孤独」や「二人であること」の回復に向けて、自ら手がけた詩やテクストを起点に、映像作品やウェブサイト、展覧会のキュレーション、書籍の出版、イベント企画などを行っている。 主な活動として個展「新しい死体」(2022/PARCO MUSEUM TOKYO)、廃印刷工場におけるキュレーション展「惑星ザムザ」(2022/小高製本工業跡地)など。

小山虎

哲学者 山口大学時間学研究所准教授。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程を修了後、日本学術振興会特別研究員PD(慶應義塾大学文学部)、米国ラトガース大学哲学科客員研究員、大阪大学大学院基礎工学研究科特任助教などを経て現職。専門は分析形而上学、ロボット哲学。編著に『知られざるコンピューターの思想史』(PLANETS, 2022年)、『信頼を考える:リヴァイアサンから人工知能まで』(勁草書房, 2018年)など。

Opening Session いまここにある課題へ応答するために 2025.11.06 (Thu) 18:00-
Tanja Hwang × Olivier Zeitoun × Kristen de La Vallière × 中村圭佑 × Simone Farresin(TBD)

気候変動や国際情勢の変化、生成AIをはじめとする新たなテクノロジーの登場──急速に社会が変化していくなかで、「デザイン」を取り巻く環境も日々揺らいでいます。果たしていまデザインが直面する課題とはなんなのか。alter.のコミッティメンバーとともに、現代のデザインが置かれた環境を明らかにします。セッション内ではコミッティメンバーによるアワード受賞作品も発表予定。 *クローズド開催となりますが、後日音声配信いたします。

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Tanja Hwang

ニューヨーク近代美術館 MoMA デザインキュレーター / リサーチャー ニューヨーク近代美術館(MoMA)建築・デザイン部門キュレーター。2024年にMoMAに着任する以前は、2021年から2023年まで香港のM+でデザイン・建築部門アソシエイト・キュレーターを務め、2013年から2020年まではドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアムで複数のキュレーション業務に携わる。アジア地域を含むグローバルな視点から近代デザインを研究し、2022年にはHyundai Blue Prize Design Awardのファイナリストに選出された。

Olivier Zeitoun

ポンピドゥー・センター デザインキュレーター / リサーチャー ポンピドゥー・センターデザイン部門アソシエイト・キュレーター。「La Fabrique du Vivant」(2019年)、「Réseaux-Mondes」(2022年)、「Mimésis, un design vivant」(2022年)など、数々の展覧会のキュレーターおよび共同キュレーターを担当。インディペンデント・キュレーターや批評家としても活動している。

Kristen de La Vallière

デザインプラットフォーム say hi to_ クリエイティブコンサルタント / キュレーター クリエイティブ・コンサルタント/キュレーター。KdlV Creativeファウンダー。パリを拠点とし、2015年にデザインや建築にフォーカスしたデジタルプラットフォーム「say hi to_」を設立する。世界各国のデザイナーや建築家への取材を通じ、オルタナティブなクリエイティブコミュニティを構築している。

中村圭佑

設計者 / DAIKEI MILLS 代表 2011年にDAIKEI MILLSを設立し、商空間やオフィスなどさまざまな空間の設計を手掛ける。2020年より都市に存在するVOID(遊休施設や社会的隙間)を時限的に占有し一般へ解放する運動、SKWATを始動。2021年より多摩美術大学 建築・環境デザイン学科の非常勤講師も務めている。

Simone Farresin *TBD

デザインスタジオ FormaFantasma アンドレア・トレマルキとシモーネ・ファレジンが2009年に設立したリサーチベースのデザインスタジオ。プロダクトデザインから空間設計、戦略立案、コンサルティングに至るまで、領域を横断しながら多様なプロジェクトを展開。新たな素材や技術の探求や文化・伝統を重視したアプローチにより、国内外で高く評価されている。