かつて地層は、生物の死骸や砂泥など、自然由来の堆積物によって形成されてきました。しかし現代では、プラスチックや合成化合物、産業廃棄物といった人間の活動によって加工されたマテリアルが、新たな地層を生み出しています。
本プロジェクトでは、それらの物質を未来に発掘される「テクノフォッシル(産業化石)」として捉え直すことを試みます。構想の起点は、オーストリア・ハルシュタットの納骨堂でのフィールドワークにあります。死者の遺骨を名付け、装飾し、共同体の記憶として保存する仕組みに着想を得て、現代社会で消費され廃棄される物質を「遺骨」になぞらえ、採集し、包み、保存し、記録します。 「包む」という最小限の介入は、物質を消費される対象から未来へ継承される標本へと移行させる行為です。保存の過程そのものをデザインすることで、廃棄物に新たな表皮と時間軸を与え、未来へ受け継がれるアーカイブへと再構成します。本プロジェクトは、一つひとつの物質を保存するだけでなく、現代文明の痕跡を未来へ継承する新たな保存とアーカイブの仕組みを提案します。
私たちは未来に、どのような地層を残していくのでしょうか。
Go Izumita
freelance / ARCHITECT, ARTIST