写真家、彫刻家、キュレーターの三人が集まり、既存のプロダクトデザインとは異なる観点から『Bent pipe clamp』というスタンドを制作しました。
このプロダクトは、ごく単純な”ものを見る”という行為を見つめ、挟む・支えることを目的として設計されました。
「モノをイメージに変換する」写真家のアプローチに、質感や重量を触覚的に捉える彫刻の視点を組み合わせることで、「物質が変化するときに生じる感覚」を体験として形にしました。
使い方はユーザーに委ねられており、対象の選択や置き方によって、生活の中の視点や距離感が少しずれて、ものとの関わり方から新しい風景が立ち上がります。
プロダクトデザインと異なる分野の3人が制作した、余白を含んだプロダクトである『Bent pipe clamp』の多様な可能性を提案します。
展示空間では、プロダクトの空気を延長させたような台座の上で、『Bent pipe clamp』が身近な日用品を支えています。鑑賞者が空間に入ると台座の鏡面に映り込み、視覚上のかすかな変化がものを見る視点や距離感を揺さぶります。
スタンドに近づいたり位置を変えてみることで、普段見過ごされがちな質感や形が立ち上がり、思いがけない表情を見せるでしょう。
写真家・川谷光平、リサーチャー/インディペンデント・キュレーター・原ちけい、彫刻家・石﨑朝子の三者による協働プロジェクト。イメージを起点に、写真と彫刻、リサーチとキュレーションを横断し、既存のプロダクトデザインとは異なる視点から新たなプロダクトのあり方の発見を企図している。