ALL CLAMP は、あらゆるものを仮設的に接続するためのクランプシステムです。木材、金属、廃材、既製品など、異なる背景や文脈をもつ素材を横断的に接続することで、空間や物の自由な構成や構築を可能にします。「かたち」を新たに生み出すのではなく、「関係」を組みなおすことで、新たな意味や機能を立ち上げます。“最小限の加工で、最大限の組み合わせを引き出す”という視点から設計された本プロダクトは、解体と再構成を前提としたハードウェアであり、その使用プロセス自体が創造の実践となります。
本展示は、「ALL CLAMP」という仮設的接続を可能にするプロダクトのみを用いて、空間や物を構築する試みです。すべての接合部は仮設であり、空間や物は完成形に収束するのではなく、変化を受け入れる柔軟な状態にとどまります。木材、金属、廃材、既製品など、異なる背景や文脈をもつ素材を横断的に接続することで、新たな形態や構成が、即興的かつ仮設的に立ち上がります。「掴む」という原始的な行為が、デザインの可能性を拡張していきます。
物の形や質感、大きさや重さ、そしてその関係性が空間の特性を表すように、異なる分野や視点をもつ多様な人々の集まりが、ひとつのコンセプトを軸に、それらすべてを横断しながら思考を組み立てることで、新たな空間的構造をかたちづくっている。そこにあるのは、完成されたかたちではなく、関係が浮かび上がらせる構造であり、それ自体が”function”である。