Bole
木を見て、森も知る。
いま日本の山では、丸太の市場価値が、それを育て、手入れし、伐り出す人々の労働の価値を下回っている。木材は建築や製造の現場を流れ続けているのに、その価値のほとんどは森に還らない。Boleはこの不均衡への応答として生まれた。1本の丸太を輪切りにし、小さなモジュールに整え、積み重ねて家具にする。それだけの、意図的に単純なプロセスである。林業の現場にすでにある道具と技術で完結させることで、不要な加工を省き、原木そのものに宿る価値を守る。Boleは「素材」ではなく「1本の木」の物語を伝えるプロダクトであり、同時に、林業家へより直接的に価値を返す経路を示す提案でもある。木を使うことが消費ではなく、森の未来へつながる選択になることを目指している。