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exhibition

Bole

Bole
木を見て、森も知る。

いま日本の山では、丸太の市場価値が、それを育て、手入れし、伐り出す人々の労働の価値を下回っている。木材は建築や製造の現場を流れ続けているのに、その価値のほとんどは森に還らない。Boleはこの不均衡への応答として生まれた。1本の丸太を輪切りにし、小さなモジュールに整え、積み重ねて家具にする。それだけの、意図的に単純なプロセスである。林業の現場にすでにある道具と技術で完結させることで、不要な加工を省き、原木そのものに宿る価値を守る。Boleは「素材」ではなく「1本の木」の物語を伝えるプロダクトであり、同時に、林業家へより直接的に価値を返す経路を示す提案でもある。木を使うことが消費ではなく、森の未来へつながる選択になることを目指している。

overview

木は私たちの暮らしに身近な素材でありながら、その背後にある森や、木を育て伐り出す営みを知る機会は多くない。日本では、丸太の価格がその労働に見合わず、森を維持すること自体が難しくなりつつある。
Boleは、こうした林業の現実と向き合うところから始まった。一本の丸太を輪切りにし、それぞれを整えながら八脚のスツールへと仕立てていく。林業に携わる人々自身の手でつくれるよう、形態は意図的に簡略化されている。
一本の木から4メートルの丸太が4本、そのうちの1本から8脚が生まれる。本展示ではこの関係を空間に置き換え、積み重なる形と連続する木目から、スツール、丸太、立木、そしてその背後にある森へと意識を遡らせる。

member

BOLEは、林業・木材産業・デザインの三者による協働プロジェクトである。株式会社森未来(東京)は「Sustainable Forest」を掲げて森林と木材の情報基盤を築く企業であり、林業に価値を還す家具はつくれないかという問いからプロジェクトを立ち上げた。森庄銘木産業株式会社(奈良県宇陀市)は1927年創業の林業・製材会社として、吉野杉の調達と原木の扱い、伐採から製材までの現場の知見を担う。ロンドンを拠点とする建築・デザインスタジオPAN- PROJECTSは、この協働をもとにBOLEのデザインと製作のロジック、そして本展の空間構成を手がけている。