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exhibition

Before a Tool Becomes Culture

日常にありながら、誰もそれを飾ろうとはしない道具がある。私たちは本展において、そうした最も慎ましい用具を起点に、機能という役割を退いたのちに立ち上がる「かたち」の在り処を探る。

革とテキスタイル、陶芸という異なる素材・技術を持つ三者がこの一点の道具に向き合うとき、そこには単一の答えではなく、複数の解釈が並走する。用途を失った瞬間、ものは初めて別の価値を宿しはじめる。実用性の輪郭が薄れ、意味や美意識がにじみ出てくる、その手前の時間である。

本展は、道具が文化へと転じる直前の、まだ名づけられていない状態を提示する試みである。

overview

本展では、日常にありながら誰も飾ろうとはしない一つの道具を起点に、複数の作り手が生み出したプロダクトを販売形式で展示する。陶芸パートでは、インセンスホルダー、キャンドルスタンド、ペンダント型ランプシェード、鉢や器など、素材の質感を活かしたラインナップを構成。あわせて、革やテキスタイルを扱う作り手による、同じ道具の記憶を宿したプロダクト群も展開予定である。会場では各作品にコンセプトを補足するキャプションを添え、来場者が実際に手に取り、購入できる形式で構成する。

member

本プロジェクトは、アーティストの緒方数馬(Kazuma Ogata)、陶芸家の城戸雄介(ONE KILN)、デザイナーの江崎賢(ED ROBERT JUDSON / Betapost)の三名によって構成される。三者はそれぞれの素材と技術をもって、一つの道具から立ち上がる複数の「かたち」を形にする。異なる領域の作り手が一点の対象に向き合うことで生まれる、多層的な解釈の場を目指す。