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exhibition

A SITTING ROOM

ひとつの箱がある。人が座る場所であり、衣服が存在する場所であり、ひとつの「部屋」でもある。
生活はいつしか細分化され、それぞれの要素は独立したプロダクトへと解かれ、各分野は自らの論理の内側に留まってきた。本提案は、その断片化を拒む。
比例と反復の構造を土台に、線は面へと広がり、面は厚みを獲得し、厚みはやがて部屋となる。そうして立ち上がる箱は、ソファとしての機能に根ざしながら、その内側に収納を抱えている。

「A Sitting Room」は、ソファの”外側”をデザインする試みである。そしてその外側は、部屋になる。

衣服、家具、空間——これまで独立したカテゴリーとして扱われてきたものを、ひとつの連続した行為として再構成する。身体と空間のあいだを素材の連続性が横断する、生活の最小単位。

扉を開くと、OMAR AFRIDI の BOA COCOON BLOUSON と同じ素材が現れる。レザー、ボア、ハードウェア。かつて身体を包んでいたものが、いま空間の内側を覆っている。衣服で実践されてきた素材のコラージュが、論理を保ったまま家具のスケールへと拡張される。

overview

本展では、OMAR AFRIDI/LEE SISAN/FORMULA の協働による新作《A SITTING ROOM》を1点設置する。ソファ・収納・クローゼットを一つに統合した、全長約2,950mm・高さ約1,200mmの黒い箱状の構造体である。中央の開口部には座面があり、実際に腰を下ろせる。両端と背面には扉と引き出しが組み込まれ、閉じた状態では、座る場所とも衣服を収める場所とも判別できない。扉を開くと、レザー、ボア、金具──コレクションピース〈BOA BUD BLOUSON〉と同じ素材で内張りされた内部が現れ、実物の衣服が吊り下げられる。衣服の素材構成がそのまま家具の内側へ移行する構造を、来場者は開閉という行為を通じて確認する。

member

「A Sitting Room」は、ロンドンを拠点とするメンズウェアブランド OMAR AFRIDI、工業の秩序と自然の感覚を往還するアーティスト SISAN LEE、プロダクトと空間を横断するデザインスタジオ FORMULA の三者によるプロジェクトです。OMAR AFRIDI は、相反する素材や技法の並置から生まれる独自のデザイン哲学「Primitive Mode」を核とし、SISAN LEE は石・木・金属といった素材の関係性を彫刻的に検証、FORMULA はプロダクトと空間のあいだに生じるわずかな緊張感を起点に、ものの知覚のされ方そのものを組み替えるデザインを手がけます。2025年12月に東京・高輪にオープンした店舗「A Drawing Room」を共同で立ち上げた三者が、2回目のコラボレーションとして、今回は彫刻・家具・衣服の関係をひとつの命題として捉え、什器の新たな可能性を探ります。