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日本を代表する建築家から世界的美術館、デザインメディアまで──alter. 2026, Tokyoコミッティメンバー決定!

april 29, 2026

プロダクトデザインの既成概念を問い直し、創造性の価値を更新するプロジェクト「alter.」。今年10月に行われる第2回に向けたプロジェクトの公募が行われるなか、今年の審査を担当するコミッティメンバーがついに決定しました。MoMAやポンピドゥー・センターのキュレーターやFormaFantasma、中村圭佑など世界的に活躍するクリエイターがコミッティを務めた第1回に続き、今年もデザインメディアやイベント、建築、美術館などさまざまなジャンルから計5名のメンバーを招聘。それぞれ異なる領域の最前線に立つ5名の視座が、alter.に集まるクリエイターたちに新たな問いを投げかけることになります。

Dan Thawley(アーティスティック・ディレクター/編集者)

1人目のコミッティメンバーは、パリ・ファッションウィーク期間中にチュイルリー公園で開催するデザインサロン「MATTER and SHAPE」を主宰する編集者・クリエイティブディレクターのDan Thawley。『A Magazine Curated By』の編集長を2010年から2023年まで務めた彼は、Simone RochaやGrace Wales Bonnerらがゲストエディターとして参加するユニークな雑誌をつくってきました。『Vogue』や『Architectural Digest』、『The Business of Fashion』などさまざまなメディアへの寄稿も多く、アールト大学から名誉博士号も授与されています。

 

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2024年に始動したMATTER and SHAPEは、数千平米のテンポラリーな空間に毎年数十の出展者を集め、デザインやファッションを中心に業界を横断する交流の場を生んでいることで知られています。初年度から8,000人以上が来場し、第3回となる2026年には約70の出展者が参加。「デザインはいま、10年前のファッションと同じ位置にいる」とかつて『Monocle』のインタビューで語った彼の視点は、alter.の実践をさらに拡げてくれるはずです。

Johan Deurell(キュレーター)

alter.は、回を重ねていきながらコミッティや出展者がつながるネットワークを醸成していくことを目指しています。そのため第2回のコミッティメンバー策定にあたっては、第1回のメンバーから推薦を受け付けていました。Vitra Design Museumのキュレーターを務めるJohan Deurellは、第1回のコミッティメンバーを務めたMoMAのTanja Hwangから推薦されたメンバーのひとり。スウェーデン出身のJohanはRoyal College of Art / V&Aで修士号を取得後、ヨーテボリのRöhsska Museum of Design and Craftでキュレーターとして活動してきました。

 

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スウェーデンにおける民主的なデザインの神話を解体する「Unmaking Democratic Design」展や、Forensic Architectureとの展覧会など、Johanはデザインを社会的・政治的文脈と接続する企画を手がけてきたことで知られています。その後はZaha Hadid Foundationで展覧会プログラム全体の統括を担い、Vitra Design Museumのキュレーターへ着任しました。プロダクトデザインを美的なクリエーションだけでなく社会的な言説のレンズとして捉えてきたJohanの手法は、alter.のプロトタイピングを政治やエコロジーなどさまざまな領域のハイブリッドな実践として位置づけます。

Laura May Todd(デザイン・ジャーナリスト)

次世代を担う日本のクリエイターをグローバルの文脈と接続するうえで、メディアの存在は非常に重要です。そこで今年は、第1回のコミッティメンバーである「say hi to_」のKristen de La Valliereから推薦を受け、世界的なデザインメディア『Wallpaper*』を中心に活動する編集者、Laura May Toddをコミッティメンバーとして招聘することとなりました。

 

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ミラノを拠点に建築・インテリアを専門とするジャーナリストとして活動するLauraはロンドンのPhaidon Pressで編集者としてキャリアをスタートさせた後、2016年にミラノへ移住。『The New York Times』や『Architectural Digest』など国際的なメディアへの寄稿を重ね、『Wallpaper*』のミラノ・エディターに就任しました。ヨーロッパだけでなくインドや中国、レバノンなど世界各地での取材を重ねながら各地域のデザイン文化が成熟・形成されるプロセスを追ってきた彼女は、現代日本のプロダクトデザインをグローバルの潮流と接続しなおしてくれるでしょう。

Faye Toogood(デザイナー)

昨年FormaFantasmaがコミッティメンバーを務めたように、キュレーターや編集者だけでなく、クリエイターがコミッティの一翼を担うことはalter.の参加者にとっても大きな刺激になると私たちは考えています。さまざまなクリエイターが候補として名前があがるなか、今年は家具やファッション、彫刻、インテリアの境界を自在に横断するデザイナーFaye Toogoodの参加が決定しました。

 

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ブリストル大学で美術史を学んだ後、インテリア誌『The World of Interiors』で約8年間編集者を務めた彼女は、2008年にComme des Garçonsのためのインスタレーションを契機に独立。以降、「Assemblage」と名付けた連作シリーズを軸に活動を展開し、その作品はPhiladelphia Museum of ArtやVitra Design Museumなど世界各地のコレクションに収蔵されています。2025年にはMaison & Objet「Designer of the Year」に選出され、ストックホルム・ファニチャー・フェアでは「Guest of Honour」として自身の制作プロセスを公開するインスタレーション「MANUFRACTURE」を発表しました。ファッションからインテリア、アートまで横断的に活躍する彼女の姿勢は、alter.が掲げるコラボレーションとプロトタイピングの精神とも共鳴しています。

青木淳(建築家)

これからの日本におけるプロダクトデザインの可能性を考えるためには、欧米だけでなく日本やアジアの視点も求められるはずです。そこで今年は日本の現代建築を代表する存在であり、国際的に活躍する建築家、青木淳がコミッティメンバーとして参加することが決定しました。

ルイ・ヴィトン表参道店をはじめとする一連のルイ・ヴィトンの店舗設計や2006年に竣工した青森県立美術館など、青木は商業施設や公共施設、住宅など多岐にわたる建築・空間を設計してきたほか、2019年には京都市京セラ美術館の館長に就任し西澤徹夫との協働によるリノベーションを手がけました。さらに2025年にはヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館キュレーターとして、「立点 – 生成AIとの未来/IN-BETWEEN – A Future with Generative AI」展を企画するなど、設計に留まらずその活動は年々広がりを見せています。プロダクトそのものだけでなく空間も含めたプレゼンテーションを問うalter.においても、青木の参画は大きな意味をもつでしょう。

5つの視座が照らすもの

昨年のコミッティも世界各国からさまざまなメンバーが招聘されましたが、今年はさらに広い射程から「プロダクト」の価値を問いなおす5人のメンバーによってコミッティが組成されました。メディアや美術館、建築などそれぞれが活動する領域は異なりつつも交差しており、alter.が試みようとしているコラボレーションとプロトタイピングの実践をさらに豊かなものにしてくれるはずです。

alter. 2026, Tokyoのプロジェクト公募は2026年4月30日まで受付中です。そして、alter.では事務局側が応募プロジェクトを選別することは一切ありません。この5人のコミッティメンバーがすべての応募に目を通し、複数回のディスカッションを経て展示プロジェクトを決定していきます。5人がもつ異なる視座が重なる場所で、果たして今年はどんなクリエーションが結実していくのか──プロダクトデザインの価値を更新するための実験は、今年も続いていきます。