ひとつの箱がある。人が座る場所であり、衣服が存在する場所であり、ひとつの「部屋」でもある。
生活はいつしか細分化され、それぞれの要素は独立したプロダクトへと解かれ、各分野は自らの論理の内側に留まってきた。本提案は、その断片化を拒む。
比例と反復の構造を土台に、線は面へと広がり、面は厚みを獲得し、厚みはやがて部屋となる。そうして立ち上がる箱は、ソファとしての機能に根ざしながら、その内側に収納を抱えている。
「A Sitting Room」は、ソファの”外側”をデザインする試みである。そしてその外側は、部屋になる。
衣服、家具、空間——これまで独立したカテゴリーとして扱われてきたものを、ひとつの連続した行為として再構成する。身体と空間のあいだを素材の連続性が横断する、生活の最小単位。
扉を開くと、OMAR AFRIDI の BOA COCOON BLOUSON と同じ素材が現れる。レザー、ボア、ハードウェア。かつて身体を包んでいたものが、いま空間の内側を覆っている。衣服で実践されてきた素材のコラージュが、論理を保ったまま家具のスケールへと拡張される。